恒例のEpimasバンドルがやって来た

Epimas Bundles — Worlds Without Master

あれやこれやの冬至の頃を祝う祭に便乗した、インディ系RPGバンドルEpimas、が今年も開催されてます。
基本的なルールは:

  • バンドル購入時に、贈りたい相手のメールアドレスを登録する
  • 購入者は即座にバンドルに含まれるPDFをダウンロードできるようになる
  • プレゼント対象には12/24ぐらいにメールが届いてDL可能となる

というもの。
欲しいタイトルが安値で買えて、かつ友人も同じものを手にできるという、お得なバンドルです。
合計で45ドル以上購入した場合は、クーポンコード「Abundance」を入力すれば、20%引きになるとのこと。

では、各バンドルの中身を見ていきましょう。


Love

Romance Trilogy  Emily Care Boss作
Breaking the Ice、Shooting the Moon、Under my Skinという、ロマンスをテーマにしたストーリーゲーム詰め合わせ。改訂され、かつ様々なプレイ例やハック案が付記されてます。

#Feminism  the #Feminism Collective作
フェミニスト視点の極ミニゲームの34種詰め合わせ。コミカルなものから、真面目なものまで、取りそろえられているそうです。

Geasa  Jonathan Lavallee作
世界の構築と、夢を成し遂げようとする人々、そして妨害する妖精をプレイする、協力と競争の入り交じるストーリーゲーム。

The Whispering Road  Brent P. Newhall作
宮崎駿監督とスタジオジブリ作品にインスパイアされた、協力と探索のゲーム。

Technical Support Simulator 2016  Frida Ullenius作
参加者2名でテクニカルサポートをシミュレートする内容。

At The Lord Admiral's Table  Sean Smith作
エドワード7世時代の若い女性なって、自殺的な社交を避けつつ社交界デビューを果たす。

Our Radios Are Dying  Caitlynn Belle作
1時間程度のライブアクションゲーム。宇宙漂流し、死を待つばかりのエイリアンのレズビアンたちをプレイするそうです。


Warmth

Singularity  Caitlynn BelleとJosh T. Jordan作、 アート担当:Josh T. JordanとThomas Novosel 出版:Ginger Goat
トランスヒューマン化した時代のショーを即興的に作るLARP。1セッション1エピソード形式。

The Beast  Aleksandra SontowskaとKamil Węgrzynowicz作
エイリアンや非人間生物との性交を日記としてつけていく、1人用ストーリーゲーム。

Old Friends  Ole Peder GiaeverとJason Morningstar作
90年代にゴーストハンターとして活躍していたグループ。メンバーの死を切っ掛けに袂を分かった彼らは、今20年ぶりに再集結して、最後の仕事に臨む。

Gunwave  Brent P. Newhall作
巨大ロボットと、それに乗り込む苦悩を抱えた十代のパイロットたちを描くシステム。

Nanoworld: A Game of Clones  Marshall Miller作
クローンたちとその世界とを探求する、AWハックの極ミニゲーム。

Flavortown: A Modern Tall Tale  Quinn Wilson作
フレイバータウンの住人となって、歴史に残るような素晴らしい料理を作る極ミニRPG。

Kirigami Dominatrix Display Simulator  Caitlynn Belle作
切り紙アートを通して、地球外のホログラム女性支配者をプレイする……って書いてあるんだけど、さすがに意味が分かりませんw


Cheer

With Great Power  Michael S. Miller作
アメコミ的なスーパーヒーローとなって、世界の危機と私人としてやりたいこととを、天秤にかけるような内容と聞いてます。PDF以外にもepubとmobi版を同梱。

Our Last Best Hope Mark Diaz Truman作
大災厄とそれに立ち向かう人々の物語を、3〜5人のプレイヤーと2時間ほどのセッションで盛り上げていくストーリーゲーム。

Exiled in Eris  出版:Precis Intermedia 執筆&デザイン&イラスト:Christian Conkle
パルプファンタジー作品をモデルに、過ぎ去りし時代の遺跡を探索して失われた宝物を求める内容。

StarCluster 4 - Out Of The Ruins  clash bowleyとKlaxon Bowley作
『シルマリルの物語』や聖書に語られる通り、神々は我らからエルダール奪い去った。文明を復興、発展させた人々は、エルダールを探して星々を巡る。という内容のRPGっぽいです。

Adventurer & Troll  Shawn McCarthy作
ファンタジー物語の手法で、奇異なる力の均衡を描く、2人用1ページのミニゲーム。

Left Coast  Steve Hickey作
1970年代のカリフォルニアに暮らすSF作家たちの奇妙な生活を描くストーリーゲーム。

Five Alarm Apromcalypse  Taylor LaBresh作 アート&デザイン:Taylor LivingstonとJason Baesel
激辛チリコンカンをかわし、太陽に再着火して、プロムまでに家に帰り着けるのか?


Good Will


Joie


Comfort


Merriment


Mirth


Stocking Stuffer I


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伝説的英雄たちの死

Death of Legends

ダーク・ファンタジー世界の叙事詩的な英雄たちの戦いを、即興的に形作っていくストーリーゲーム、Death of Legendsをざっと読みしました。いつも通り、軽く紹介なんぞを。

概要とキャラクター

Death of Legendsは、3〜6人でプレイするストーリーゲームです。
GMは設置されず、全員が同じ立場のプレイヤーとなります。
各プレイヤーは、準備された英雄の中から1人を選び、手順に従ってその偉業や、相互の関係性を作っていきます。
ゲームは3つの幕に分かれていますが、メインとなるのは第3幕。前の2幕は、各人の設定を固め、最終幕で繰り広げられるドラマの下準備期間となります。

用意されている伝説に語られるような英雄のアーキタイプはつぎの6種。データ的な差異は第3幕の戦いで利用できる特殊能力と、守るべき(縁深き)場所程度です。

  • 大海賊(Buccanner)
  • 将軍(General)
  • 大魔導師(Magus)
  • 教皇(Pontiff)
  • 行政官(Praetorian)
  • 姿を変じる獣人(Wild-Shaper)

第1幕:伝説的な英雄の創造

まずは英雄たちの背景と、伝説に語られるまでの道程を作ります。
どのような人物なのかが決まれば、彼または彼女を偉大な人物へと変えた要素を1d6でランダム決定します。
結果に従い、モンタージュ式に、断片的な場面を語っていきましょう。必要ならロールプレイを交えつつ。

次に、また1d6を振って、他プレイヤー・キャラクター1人との運命的な絆を決定します。
家族、ライバル、ロマンスなどといった結果をもとに、相手プレイヤーと話し合って、若き日々の関係性を固めていきましょう。

第2幕:英雄たちの戦争

ここでは英雄たちが名を高めた20年前の戦いが描かれます。
宿敵が自治領域に攻め寄せ、守り手の軍は追い詰められています。
そんな苦境の中、英雄たちが立ち上がり、打ち破られようとしている軍を奮起させ、戦いを勝利に導くのです。

具体的には、プレイヤーはそれぞれ「戦争における運命」表を3回振って、その結果を適用します。
これは戦況のみならず、数値的な変化も伴いますが、意味を持ってくるのは第3幕になってからです。
むしろ重要なのは、戦いの中で築かれる他キャラクターとの繋がりでしょう。
この表を振る際は、1回ずつ(できれば)別の相手を指定し、結果に合わせて戦いの最中で形作られる関係性を決めていきます。
必ずしもポジティブな関係になるとは限りませんが、それもまた最終幕でのドラマに彩りを添えてくれることでしょう。

幕間

宿敵を追い払い、名を成した英雄たちが過ごす平和な20年を簡単に語る場です。
彼らはそれぞれ、特定の地域に大きな影響力を持つようになっています。
平穏な生活の幸せ、地域の人々との交流、あるいは家族愛なんかを語られるとよろしいのではないかと。
それらは守るべきものとなって、最終章の破滅と対峙する最中で、感情面を大いに盛り上げてくれるでしょうから。

第3幕:宿敵の帰還

このゲームのメインをなすのは、この最終章です。
20年前に追い払った宿敵の軍が突如自治領域に攻め込んでくるので、英雄たちは再集結するのです。

1年1ターンで進行する第3幕は、最初の3ターンの間、防戦一方を強いられます。
圧倒的な物量に手が回らず、都市や重要拠点は徐々に陥落していくことでしょう。戦死する英雄もでる可能性があります。
英雄たちは、どこを守り、どこを見捨てるのかという取捨選択を余儀なくされるのです。

そして4年目から、敵を打ち倒す力を秘めた、力ある武具を探すクエストが可能となります。
首尾よく武具を回収し、どの英雄が武器を振るうのかが決まれば、物語は最終局面へと突入します。
こうして、英雄や自治領域のたどる運命が決まれば、ゲームは終了します。

ただし、ここに面白いひねりが挿入されてまして。
第3幕開始時に、プレイヤーは全員カードを1枚受け取ります。自分のカードは他人に公開してはなりません。内容を読めるのは自分だけです。
裏面には、第3幕で発動できる特殊な効果が書かれています。
基本的には、自分の英雄が死亡した際、他の英雄たちを強化する手段と、そのデータ的な恩恵が記されています。あるいは自分が犠牲になることで、他の英雄を守ることができると記載されているかもしれません。

ただし、6枚のカードの中に1枚だけ、裏切り者になることを指示するものが含まれています。
もしも、このカードを受け取ったプレイヤー・キャラクターが、力ある武具を振るうことになった場合、宿敵が自治領域を蹂躙する形で物語は終わります。
これによって、裏切り者がいるとは限らないプレイヤー6人未満のゲームであっても、ちょっとした緊張感や疑心の種が蒔かれることになります。
特に武具の譲渡先決定は、生きているキャラクター全員の同意が必要なので、この不穏な仕掛けが芽吹くかもしれません。
残念ながら、裏切り者を確定するルール的手段は提供されてません。
忘れないでください。このゲームの目的は自由領域を勝利させることではありません。肝要なのは、死地に向かう英雄たちと、その行く末の物語を語り、楽しむことなのです。

なお、裏切り者キャラクターには、改心して最後の戦いを助けるという選択も用意されています。
裏切りか改心かを選ぶのは、カードを受け取ったプレイヤーです。
キャラクターのたどってきた物語、他キャラクターとの関わり、戦いにおけるロールプレイなどを通じて、決めてください。

それから

プレイヤーは全員、キャラクターから離れて語り手に戻ります。
宿敵との戦争の勝敗に応じて、世界の有り様を語っていきましょう。
それから、各プレイヤーは、数年前に起きた出来事を通して、自らの英雄の最終的な運命や、その遺産を述べていくことになります。これには、戦後の偉業や、英雄の死などが含まれることになるでしょう。

こうして最後の描写の機会が一巡したなら、物語とゲームは幕を閉じます。
プレイ時間の見込みは、参加者4人で2〜2.5時間、5人なら3〜3.5時間とのことです。
自分が進行役をつとめ、流れや細かい点をサポートしつつ進めるなら、訳出労力はさほど高くないので……年末年始あたりをターゲットに一度オンセを立ててみる予定です。

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インディペンデント系の宝庫バンドル第4弾

Indie Cornucopia +4

毎年恒例のインディ系新作バンドルが、Bundle of Holdingで始まりました。
ざっくりと紹介していきますと。

12.95ドルで入手できるスターターコレクション:

  • Cryptomancer:魔法で構築されたインターネットが存在する古典的ファンタジー世界での冒険。
  • Stalker RPG:ストルガツキー兄弟の『路傍のピクニック』にインスパイアされたストーリーゲーム。
  • Mortal Coil:全員で魔法の関わる世界を作り出して物語を作っていくシステム。
  • Goblin Quest:D&Dとパラノイアの融合。狂騒に満ちたゴブリンたちの物語をGMレスで遊ぶ。

その時点での平均額以上で上記に追加されるボーナスコレクション:

  • Worlds in Peril:AWハックのスーパーヒーローもの。ヒーローパワーの記述自由度が高い。
  • Baker Street:シャーロック不在の時期に、ヴィクトリア朝の探偵たちをプレイするRPG。
  • Fellowship:AWハックの旅を通してのファンタジー冒険もの。GM代わりに敵役をプレイするPLを置く。
  • The Ninja Crusade:比較的和風なニンジャもの。今回のラインナップの中では一番普通のTRPG。
  • You Are the Hero:ゲームブック、ファイティングファンタジーシリーズ30年の歴史。
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See Page XX 2016年10月号より

一応月間のPelgrane Pressウェブマガジン、See Page XX 2016年10月号がリリースされました。

See Page XX – October 2016

一番気にかかる新着情報を軽く掬ってみると次のように。

  • お得なTrail of Cthulhuバンドルその1その2が販売中
  • TimeWatchはGMスクリーン&リソースが年末か年度初めにリリース
  • 2人用GUMSHOEことCthulhu Confidentialは12月にプレオーダー開始予定
  • 13th Ageのモンスター本パート2を作成中
  • ToCのキャンペーン本The Yellow King RPGが来年Kickstarter予定

GUMSHOE10周年の締めだけあって、やはり同ルールの関連品に力が入ってます。
そういえば、Ars MagicaなGUMSHOE企画ってどうなったんでしょうね、というのは禁句かな?

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王死して世は乱れる

Apocalypse Worldなどで知られる、ヴィンセント・ベイカー氏の新作、The King is DeadがPatreon支援者に向けてリリースされています。
これは中世ヨーロッパ風の世界で、王が後継者を残さずに逝去した後に巻き起こる騒動を描くストーリーゲームです。
プレイヤー・キャラクターは5つの名門貴族いずれかに属するものとなり、陰謀、武力、時には愛を武器に、剣呑な乱世を渡り歩いていくことになります。
彼らの協力や衝突の結果、王国はどのような変貌を遂げるのでしょう? そこで暮らす人々には何が降りかかり、次の時代への展望はいかなるものとなるのでしょう?
全ては、プレイヤーに委ねられています。

セッションの概要は次の通り:

  • プレイヤー:3〜5人(GMなし)
  • プレイ時間:1時間以上(手番を回していく方式なので参加者が増えるほど長く)
  • ルール:ランダマイザーの類は使用せずシーンを作る方法が規定されている

The King is Deadは次のような序文で始まります:

バンテイヴの王アイヴァルド3世、ディルストーン家の大公にしてシーワード海岸地方の統治者は、後継者を残さずに逝去した。もはや内戦は必定。
バンテイヴ貴族の名家の1つに属する、若く勇ましき公子や公女、それが君だ。迫り来る継承戦争に巻き込まれているが、玉座に着く立場にはない。より地位の高い親類縁者が、己のために戦い、努力を惜しまず、己が王権を得るために命を賭すよう君に求めているのだ。けれども、それはこのゲームの目的ではない。
このゲームの目的は、事態を滅茶苦茶にすることだ

プレイヤーが属するのは、次にあげる貴族の諸名家の1つです。同じ家を選ぶことはできず、キャラクター紹介(作成)時に異なる家を選ばなければなりません。家によって、王位を狙う人物、立場、力の源、そして兵の招集力(数値で決まっている)などが違ったものとなります。

  • アンタイアー家:古の王族
  • ディルストーン家:王家
  • ルーンスティー家:外国の勢力
  • オーク家:忠実なる封臣
  • サンドアエール家:簒奪者

シーン作りを規定するゲームは次の11が規定されており、プレイヤーは手番が回ってきたら、どれを行うか決めて他プレイヤーと一緒に、状況との物語を紡いでいくことになります。

  1. 快活な論争
  2. 血塗れの小競り合い
  3. 追跡劇
  4. 会食の場での話し合い
  5. 舞踏
  6. 陰謀と兵の招集
  7. 剣による決闘
  8. 密議の時間をとる
  9. 競い合いによる裁き
  10. 戦争
  11. 最終局面:戴冠式
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