会話をプレイの手段とするRPG

Apocalypse Worldのデザインは、結果的に2010年以降の米国インディペンデントRPGに大きな影響を及ぼしているといっても、過言ではありません。
その作者であるVincent Baker氏のミニブログに投稿されたRPGのデザインに関する内容が、概説に過ぎないとはいえ興味深い内容だったので簡単に訳してみました。

https://dice.camp/@lumpley/991...

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アポカリプス・ワールドには、ロールプレイングとは会話することだ、と書きました。
声に出して話し合うことを、プレイの手段としよう、という意図が込められています。盤と駒、デッキと手札として配置されたカード、スクリーン上のピクセルの代わりに、あなたと友人たちが互いに口にする言葉で、ゲームを行うのです。

ボードゲームでは、盤上の駒をどのように配置、移動、処理するかというルールが必要です。ガードゲームでは、カードを配り、保持し、プレイし、解釈するためのルールを要します。

ロールプレイングゲームでは、言うなれば会話のためのルールが必要なのです。話すべき事柄は? その事柄をどんな方法で話すべきなのか? 他者の言葉にどうやって応ずるべきなのか? といった。

Candylandでは、駒を移動させるための単純なルールしかありません。しかし、チェスでは、状況に応じて異なるルールを使います。駒が違えば移動も異なり、駒が互いに妨害したり取ったりするためのルールがあり、キャスリングやチェックやアンパッサンといった特例ルールも存在します。

RPGにおいても全く同じです。会話についてのゲームのルールは、状況によって変化しうるのです。

例えば、アポカリプス・ワールドの基本ムーヴ(*1)を、チェスの駒の移動が異なるのと同じものとして考えてみてください。

ポーンは1マス前に進みます。同じく、自分のキャラクターに他者を攻撃させるなら、そのキャラクターが立ち塞がるのか、それとも引き下がるのかを相手のプレイヤーに聞きます。

ビショップは斜め方向へと滑らかに動きます。同じく、自分のキャラクターを危地で行動させるなら、MC(*2)は好ましくない情勢を提示するか、どの程度不十分だったかを述べます。

そんなわけで、基本的な提言は次のようになります。一緒に話すことをプレイの手段とするゲームにおいては、主題が異なれば会話のルールは別なものにできるし、またそうすべきなのです。

ご清聴ありがとうございました。

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*1:アポカリプス・ワールドのムーヴは、引き起こされる状況と、その場合の処理とをセットにしたルールのこと。プレイは基本会話で進み、PCの行動や置かれた状況がムーヴに当てはまった場合、ルール的な処理が挟み込まれる。

*2:アポカリプス・ワールドにおけるGM。Master of Ceremonyを略した名称。

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