伝説的英雄たちの死

Death of Legends

ダーク・ファンタジー世界の叙事詩的な英雄たちの戦いを、即興的に形作っていくストーリーゲーム、Death of Legendsをざっと読みしました。いつも通り、軽く紹介なんぞを。

概要とキャラクター

Death of Legendsは、3〜6人でプレイするストーリーゲームです。
GMは設置されず、全員が同じ立場のプレイヤーとなります。
各プレイヤーは、準備された英雄の中から1人を選び、手順に従ってその偉業や、相互の関係性を作っていきます。
ゲームは3つの幕に分かれていますが、メインとなるのは第3幕。前の2幕は、各人の設定を固め、最終幕で繰り広げられるドラマの下準備期間となります。

用意されている伝説に語られるような英雄のアーキタイプはつぎの6種。データ的な差異は第3幕の戦いで利用できる特殊能力と、守るべき(縁深き)場所程度です。

  • 大海賊(Buccanner)
  • 将軍(General)
  • 大魔導師(Magus)
  • 教皇(Pontiff)
  • 行政官(Praetorian)
  • 姿を変じる獣人(Wild-Shaper)

第1幕:伝説的な英雄の創造

まずは英雄たちの背景と、伝説に語られるまでの道程を作ります。
どのような人物なのかが決まれば、彼または彼女を偉大な人物へと変えた要素を1d6でランダム決定します。
結果に従い、モンタージュ式に、断片的な場面を語っていきましょう。必要ならロールプレイを交えつつ。

次に、また1d6を振って、他プレイヤー・キャラクター1人との運命的な絆を決定します。
家族、ライバル、ロマンスなどといった結果をもとに、相手プレイヤーと話し合って、若き日々の関係性を固めていきましょう。

第2幕:英雄たちの戦争

ここでは英雄たちが名を高めた20年前の戦いが描かれます。
宿敵が自治領域に攻め寄せ、守り手の軍は追い詰められています。
そんな苦境の中、英雄たちが立ち上がり、打ち破られようとしている軍を奮起させ、戦いを勝利に導くのです。

具体的には、プレイヤーはそれぞれ「戦争における運命」表を3回振って、その結果を適用します。
これは戦況のみならず、数値的な変化も伴いますが、意味を持ってくるのは第3幕になってからです。
むしろ重要なのは、戦いの中で築かれる他キャラクターとの繋がりでしょう。
この表を振る際は、1回ずつ(できれば)別の相手を指定し、結果に合わせて戦いの最中で形作られる関係性を決めていきます。
必ずしもポジティブな関係になるとは限りませんが、それもまた最終幕でのドラマに彩りを添えてくれることでしょう。

幕間

宿敵を追い払い、名を成した英雄たちが過ごす平和な20年を簡単に語る場です。
彼らはそれぞれ、特定の地域に大きな影響力を持つようになっています。
平穏な生活の幸せ、地域の人々との交流、あるいは家族愛なんかを語られるとよろしいのではないかと。
それらは守るべきものとなって、最終章の破滅と対峙する最中で、感情面を大いに盛り上げてくれるでしょうから。

第3幕:宿敵の帰還

このゲームのメインをなすのは、この最終章です。
20年前に追い払った宿敵の軍が突如自治領域に攻め込んでくるので、英雄たちは再集結するのです。

1年1ターンで進行する第3幕は、最初の3ターンの間、防戦一方を強いられます。
圧倒的な物量に手が回らず、都市や重要拠点は徐々に陥落していくことでしょう。戦死する英雄もでる可能性があります。
英雄たちは、どこを守り、どこを見捨てるのかという取捨選択を余儀なくされるのです。

そして4年目から、敵を打ち倒す力を秘めた、力ある武具を探すクエストが可能となります。
首尾よく武具を回収し、どの英雄が武器を振るうのかが決まれば、物語は最終局面へと突入します。
こうして、英雄や自治領域のたどる運命が決まれば、ゲームは終了します。

ただし、ここに面白いひねりが挿入されてまして。
第3幕開始時に、プレイヤーは全員カードを1枚受け取ります。自分のカードは他人に公開してはなりません。内容を読めるのは自分だけです。
裏面には、第3幕で発動できる特殊な効果が書かれています。
基本的には、自分の英雄が死亡した際、他の英雄たちを強化する手段と、そのデータ的な恩恵が記されています。あるいは自分が犠牲になることで、他の英雄を守ることができると記載されているかもしれません。

ただし、6枚のカードの中に1枚だけ、裏切り者になることを指示するものが含まれています。
もしも、このカードを受け取ったプレイヤー・キャラクターが、力ある武具を振るうことになった場合、宿敵が自治領域を蹂躙する形で物語は終わります。
これによって、裏切り者がいるとは限らないプレイヤー6人未満のゲームであっても、ちょっとした緊張感や疑心の種が蒔かれることになります。
特に武具の譲渡先決定は、生きているキャラクター全員の同意が必要なので、この不穏な仕掛けが芽吹くかもしれません。
残念ながら、裏切り者を確定するルール的手段は提供されてません。
忘れないでください。このゲームの目的は自由領域を勝利させることではありません。肝要なのは、死地に向かう英雄たちと、その行く末の物語を語り、楽しむことなのです。

なお、裏切り者キャラクターには、改心して最後の戦いを助けるという選択も用意されています。
裏切りか改心かを選ぶのは、カードを受け取ったプレイヤーです。
キャラクターのたどってきた物語、他キャラクターとの関わり、戦いにおけるロールプレイなどを通じて、決めてください。

それから

プレイヤーは全員、キャラクターから離れて語り手に戻ります。
宿敵との戦争の勝敗に応じて、世界の有り様を語っていきましょう。
それから、各プレイヤーは、数年前に起きた出来事を通して、自らの英雄の最終的な運命や、その遺産を述べていくことになります。これには、戦後の偉業や、英雄の死などが含まれることになるでしょう。

こうして最後の描写の機会が一巡したなら、物語とゲームは幕を閉じます。
プレイ時間の見込みは、参加者4人で2〜2.5時間、5人なら3〜3.5時間とのことです。
自分が進行役をつとめ、流れや細かい点をサポートしつつ進めるなら、訳出労力はさほど高くないので……年末年始あたりをターゲットに一度オンセを立ててみる予定です。

目移録